フレワカ(FREWAKA) 感想

予告を見てからずっと気になっていた作品、公開翌日に見てきましたので、ネタバレありで感想を語っていきます。

余談ですが、冒頭の不穏シーンでビクビクしてたら、急に隣の席に白髪のマダムが座ってきたのでめちゃくちゃびっくりした。普通に遅れて入ってきたお客さんだった。

 

全体の感想としては、最初から最後までずっと不気味な音がみっちりで、大変素晴らしい不快感でした。ジャンプスケアで怖がらせてくるというよりは、不気味シーンをこれでもかと長く長く差し込んでいる印象で、不気味耐久レースになりますが、私は大好きです。

 

ミッドサマーやウィッカーマンが引き合いに出されがちですかね。

雰囲気は近いかもしれませんが、ミッドサマーとウィッカーマンは、外から来た人間が異文化交流する話で、フレワカは、文化と歴史を人ならざるものに混ぜ込んだお話な気がします。

 

 

〈あらすじ〉

冒頭、爆音のケルトロックが流れる結婚式のシーンから始まります。藁の被り物をした男たちがどこかに歩いて行くところが映ったと思えば、ケルトロックはそのままに、シーンが切り替わって、結婚式で音楽に合わせて踊り狂う人々。

アイルランドには、藁の被り物を被ったストローボーイという人たちが、結婚式に乱入してきて踊る文化があるんだとか。

 

さて人々が踊り狂う結婚式で、花嫁は気分が優れない模様。一人外に出て一呼吸ついたところで、目の前に花を飾られたヤギが佇んでいることに気がつきます。その後、花嫁は忽然といなくなってしまいました。

 

 

シーン変わって、マリア像やらキリストの絵やらがたくさん飾られた部屋の中、古風なドレスを着た一人の女が、足を引き摺りながら歌を歌っています。カメラが部屋の壁にかけられた丸い鏡にフォーカスしたと思えば、その鏡越しに女は首を吊りました。

 

ここ、最初は何が起こっているかわからなくて「?」ってなっていたんですが、女の首にロープが掛かっているのに気がついた瞬間、鳥肌が立ちました。鏡を使った見せ方が面白い。

 

女が死んでしばらくしてから、ロープが切れて遺体が床に落ちます。ここの重いものが落ちるドスっていう音も気持ち悪くて非常に良かったです。

 

女の遺体が発見されたのは、それから随分経ってからのようで、そこからさらに時間をおいて、二人の女性が部屋に入ってきます。

これが、主人公シューと、その恋人のミラ。2人は同性カップルですが、ミラは精子提供を受けて妊娠をしています。死んだ女はシューの母親で、2人は遺品整理のために部屋を訪れたのでした。

 

ミラは大きなお腹を抱えながら、丁寧に遺品を整理しますが、シューは、遺品は全部捨てれば良いと言い放ちます。後に理由がわかりますが、幼少期に母から虐待を受けていたシューは、母に複雑な思いを持っているのです。

ついにはミラを残し、仕事に出掛けて行ってしまうシュー。

 

介護士として働くシューは、介護のため、アイルランドの片田舎の老婆の家に住み込みで働くことになります。

この田舎が本当に辺鄙なところで、道を聞いても町の人々は余所者にはつれない態度です。だんだん暗くなる町の中を歩くシューは、狭い道で、ヤギを連れて佇む少年とすれ違います。不気味!

 

町を抜けて森の中、布やら何やらが吊るされて、キャンドルライトで飾りつけられた“妖精の木”を抜けた先に、老婆の住む屋敷はありました。

屋敷から少し離れた位置には、配達で届けられたミルク瓶がたくさん。どうやら腐っているようです。

屋敷には灯りがついていたので、シューは呼び鈴を押してみますが、誰も出てきません。裏手に回り込んで窓越しに中の様子を伺うと、何とか老婆と話すことが出来ますが、随分警戒されているようで、入れてもらえない。挙句には、ガラス戸越しに放尿される始末。シューは、窓を一枚割って何とか屋敷に入ります。

 

老婆を探して彷徨うシューは、屋敷の中で地下へ続く赤い扉を見つけます。周囲にこれでもかと蹄鉄やらお守りやらが飾られた扉は、随分と異彩を放っていました。呆然とするシューに、背後から灰?を投げつける老婆。

 

老婆はシューを歓迎していないようでしたが、話すうちに、シューが首に蹄鉄のネックレスをしていることに気が付いて、少し警戒を解きます。老婆はペグと名乗りました。

 

蹄鉄はケルトでは魔除けのような意味があるようですね。主人公のあだ名“シュー”も、“ホースシュー”からつけられたのかも。

あと、このシーンのペグとシューの会話がすごく面白い。気難しい老人が意地悪なことを言っているようでいながら、シューの切り返し含め、どこかシューとは馬が合っているように聞こえます(終盤で理由がわかるのですが)。

 

歓迎されていないながらも、とりあえずペグが寝る支度を手伝うシューですが、ペグは色々とこだわりがあるようで、「カーテンを開けるな」「洗面所の鏡を覆う布は取るな」とか色々言われます。不穏。

着替えも自分でやるというペグに、仕方なく服を渡したシューは、ペグの背中が、鞭で打ったような無数の傷跡に覆われていることに気がつきました。

 

翌日、シューは買い出しに出かけますが、売店の店員の女はよそ者のシューに意地悪な態度です。店の主人らしき男は、人形のように座ったままで何も言いません。

 

シューは、ペグの郵便物が屋敷から離れた場所に置かれていたことを抗議しようとして、配達員の所在を尋ねますが、「配達員は葬儀の対応で忙しい」と言われてしまいます。タバコを買いたいと言うも「甘い電子タバコならあるよ」と嘲られる始末。

見かねた他の客の女が、店員の女を諌め、シューを配達員の場所へ案内してくれます。

親切な客の女は、配達員の元へ向かう道すがら、ペグが過去「マグダレン洗濯所」にいたと噂されていると教えてくれます。

マグダレン洗濯所とは、アイルランドに実在した施設で、表向きはカトリック修道院として、婚外交渉により身ごもった女性などを強制的に収容、軍隊等から集められた洗濯物の洗濯作業を行わせていたそうです。

 

さてシューは、配達員がいるという家に辿り着きますが、確かに通夜の準備をしているようで、立派な体格で黒いスーツを着た男がいました。男を見ると、家に入るのをやめて、老婆の家に戻るシュー。

シューには男性に対する忌避感があるのかな、と過去を想像させるシーンです。

 

その晩シューは悪夢を見ます。

昼に訪れた通夜をしている家に足を踏み入れると、左の部屋では白い布を頭に被った男たちが、寄り集まっています。

右の部屋に入ると、手前では髪の長い女が、洗濯板で洗濯をしています。奥には母の遺体を納めた棺があって、シューがそっと母の手を握れば、死んだはずの母に急に手を掴まれる。

母が満足気に笑ったところで飛び起きて、気を落ち着かせるために薬を飲むシュー。

 

寝るに寝れないシューがペグの部屋を訪ねれば、起きていたペグは、シューに昔の話をしてくれます。

曰く、ペグは結婚式の晩に、”ヤツら“に連れ攫われたと。夫はペグを取り戻そうとして、”ヤツら“ととある取引をしますが、取引を誤魔化そうとして“ヤツら”の怒りを買い、最後には自殺をしてしまったと。ペグの背中の傷は、取引を誤魔化そうとした罰なんだそうです。

そして“ヤツら”は今も“下”にいるんだそうです。

 

シューも自分の過去の話をしました。母は精神が不安定で、幼いシューに祈りの言葉を唱えさせては、間違えるとシューを叩いたり、暗闇に閉じ込めたり、火のついたタバコを押し付けたりしました。

シューの腕には火傷の跡が残っていますし、シューはたびたび幻聴(?)で、幼い頃に必死に唱えた祈りの言葉(サルヴェ・レジーナ?)を耳にします。

またシューの悪夢に出てくる、暗闇で赤く光る十字架は、おそらく閉じ込められた暗闇で見た、十字架の蓄光オブジェだったのではないでしょうか。

お互いの過去の話をした後、ペグとシューは一緒に眠ります。

 

翌日、シューは地下へ続く赤い扉の前に鼠取りを仕掛けようとして、扉を開けてみます。

扉を開けた先には、地下へ降りる階段が続いていて、その先には棚がありました。地下はその先にも続いているようですが、よく見えません。

棚の上にアルバムが置いてあるのを見たシューは、地下へ降りてみます。

アルバムには、ペグと夫の写真が綴じられていました。めくっていくと、ペグの失踪を報じる記事が出てきます。

すると急に地下の灯りが消えて、赤い扉が閉まりました。慌てて駆け上がるシュー。扉を叩きますが、開きません。

背後から歌声が聞こえてきて、足を引き摺りながらシューの母親が現れました。

階段を登り始める母親に、怯えたシューは扉を開けようとします。

すんでのところで扉が開いて、シューは外に出ることができました。

 

シューが家の外に出ると、ミラから、母親の遺品のドレスが入ったダンボールが届いていました。ミラは、肉親の遺品なのだから、大切なものはきちんとシューが整理をすべきと考えて、良かれと思って行ったことでしたが、シューはこれに怒り、取り乱します。勢いでミラに電話をしますが、口論になって、電話は切られてしまいました。シューはドレスを暖炉にくべてしまいます。

 

その後、老婆の薬を取りに町の小さな病院に来たシューは、携帯に介護士派遣センターから、様子を見にペグの家を訪問する旨のメッセージが入っていることに気が付きます。

慌ててペグの家に戻ると、家の前に立ちすくむ派遣センターの職員の女性に向かって、ペグが2階の窓から物を投げつけていました。

「そいつを家に入れちゃいけない」と言い続けるペグを脇目に、シューが職員を家に招き入れようとすると、職員は家に入る前に立ち止まります。

シューが「入って」というと、慎重に一歩足を踏み入れる職員。招きいれてしまった。

シューは職員とペグの部屋に向かいますが、ペグは部屋に鍵をかけて引きこもっています。鍵を取りに部屋の前を離れたシュー。職員は、シューがいない間に部屋の扉に手を這わせて、匂いを嗅ぎました。

さて、シューが部屋の扉を開けると、ペグが写真立てを投げつけてきます。「あいつはいなくなった?」そう聞くペグに、廊下にいると答えようとしたシューですが、振り返ると、職員はいなくなっていました。

 

ペグに部屋を追い出されたシューは、ペグが投げつけてきた写真立てを持って階下に向かいました。写真立てには、ペグと夫の写真が挟まれています。

それを見て、地下のアルバムを思い出したシュー。赤い扉の前に戻ると、勝手に閉まらないように扉を固定してから、急いでアルバムを取って戻ってきます。

アルバムを見ていると、後ろのペグの失踪に関する記事が、シューの母親の自殺を報じるものに変わっていました。驚いてアルバムを見直すと、記事は元に戻っています。

 

その日、シューが危険に巻き込まれかけていると思ったペグは、シューに明日にはここを出ていくように伝えました。仕方なく応じるシュー。

 

翌日、町の病院についたシューは、ペグの介護の引き継ぎのため、介護内容を記した日誌を医者に渡そうとします。待合室で医者を待つシューの前に、怪しい風貌の男が座って歌を口ずさみます。

医者に出す前に日誌を確認するシューですが、日誌はページが進むにつれて文字が崩れていき、最後には意味をなさない文字列や、母親からの最後のメッセージの言葉が書き込まれていました。

シューの前に座る男が、シューの服が前後になっていることを指摘します。

自分の精神がおかしくなりかけていることを疑ったシューは、逃げるように病院を去りました。ペグの家に戻る道すがら、シューはヤギを見かけます。

 

ペグは、ミラからシューに当てたダンボールを片付けようとして、中に入っていたシューの母親の出生を記した書類を見つけます。両親の名の欄には、ペグと夫の名がありました。シューは、ペグの孫だったのです。

 

戻ってきたシューは、この事実を知って驚きました。ペグは、“ヤツら“はシューを狙っているのだと言います。

ペグの夫は、ペグを取り戻すために、自分たちの子供を差し出すと”ヤツら“に約束しました。そして生まれた子供を養子に出すことで、守ろうとしたのです。

 

ペグは、シューの代わりになると言って、赤い扉の中に入っていきます。

しかし程なくして、傷だらけになって戻ってきました。ペグでは代わりになれなかったのです。

ペグの怪我がひどいので、シューは町に助けを呼びに行きました。しかし、町は静まり返って、呼んでも人が出てきません。

途方に暮れて通りを彷徨うシュー。すると背後から、小柄で顔の崩れた男が、太鼓(バウロン?)を叩きながら現れます。男の周囲には、藁の被り物をした男たちが集まってきて、シューについて歩きだします。待ちに待った予告のシーン。

 

追われるようにしてペグの家に帰ったシューは、玄関の扉にもたれかかります。背後の扉を叩く音や音楽がずっと聞こえています。

このシーンめちゃくちゃ好きポイントがありまして、シューが背中を預けているのは木製の扉なのですが、両脇がガラス張りになっているんです。

で、家に逃げ込んでしばらくはシューの表情とかにフォーカスしているので木製部分しか映らないんです。

ただ、シューが2階に逃げるために、扉全体が映される引きのアングルになった瞬間、両脇のガラス張りの部分に藁の被り物の男たちが張り付いて中を覗き込んでいるのが見える。

ほんの一瞬、大きな効果音もなく、ただの背景として映るだけなんです。大変怖くてよかった、素晴らしい見せ方。

 

2階に逃げたシューは、ペグと一緒に部屋に引き篭もります。”ヤツら“は部屋の外まで来ているようで、ドアをガチャガチャやりながら、町の人間の声を真似てドアを開けるように呼びかけてきます。

耳を貸すなと言うペグに、必死に耳を塞ぐシュー。

その時、部屋にあった鏡に、シューの母親が映ります。魅入られたように鏡に近づくシュー。

呼びかけても応じないシューに、ペグは自分の目にドアノブを突き刺して倒れ、その音でシューは正気に戻りました。

 

ペグの死を嘆くシュー。

すると、ドアの外から、ミラの声がします。電話に出てくれないから、心配して様子を見にきた、開けてくれ。そう言ってドアノブを回す声に、ペグは必死に耳を塞ぎました。

 

やがて外が静かになって、シューが恐る恐る外に出ると、家の前にはミラの車が止まっています。

ミラは本当に来ていたのだ。そう悟ったシューが慌てて家の中にかけ戻ると、赤い扉の前が開いて、ウエディングドレスが用意されていました。

シューは何かを決意したようにドレスを身に纏うと、赤い扉を通って、階段を降りていきます。

 

階段はいまや鬱蒼と茂る木々に覆われて、その木々の隙間には白い被り物をした男たちが立って、シューを見守っています。

シューが歩いていくと、いつしか開けた山の中腹に出て、山の頂には、ヤギの角を持つ何かが佇んでいました。それを見つめるシューの瞳からは、血のような涙が溢れ出ます。

 

暗転して、赤い扉の前。ミラが壁に縋って泣いています。

「シューを返して。シューに会わせて。なんでもあげるから。」

同じことを繰り返しそうなセリフで、エンドロールです。

 

〈感想〉

面白かったです。

最後はミラを人質に、冥府の神様みたいなものの花嫁に迎え入れられてしまったんですかね。ミラは、お腹の子を差し出す代わりに、シューを取り戻そうとするんでしょうか。

一方で、マグダレン洗濯所のように、苦難に揉まれた女性たちの象徴的な話のようでもあります。

 

この映画、最初から最後まで男性がほとんど喋らないのが印象的です。迎えにくる”何か“は全て男性で(職員は女性でしたが)、何も言わずにじっとこちらを見ている。目線で執拗に追い回してくる感じ、気持ち悪くて最高です。

 

また、登場するキリスト教関連のオブジェが、よそよそしく映るのも印象的でした。

アイルランド語を話し魔除けの蹄鉄を持つペグに。これに対し、シューの母親は、いっそチープにも見える蓄光マリア像をはじめキリスト教関連オブジェをこれでもかと持っている。

土着神話と世界的宗教の馴染まなさを表現しているのかな、なんて思いました。

Five Nights at Freddy's (ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ)感想


2024年2月10日、観てきました。

 


〜ちょっと長いあらすじ〜

 


主人公マイクは、弟を目の前で誘拐された過去に囚われ、定職にも就かずに日々を過ごしていた。

ある日、職業斡旋所で、閉店したピザレストラン「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」で夜勤警備員の仕事を紹介される。

他界した両親の代わりに幼い妹アビーを養うため、警備員として働き始めたマイク。

 


フレディ・ファズベアーズ・ピザは、ゲームアーケードや機械仕掛けのマスコットキャラクターのショーで、一時は賑わいを見せたアミューズメントレストランだったが、今は廃墟と化している。

勤務初日、警備室で眠ったマイクは、弟が誘拐される瞬間の夢を見る。繰り返し何度も見てきた夢だが、その日の夢には、見知らぬ5人の子供たちが登場した。

勤務2日目、夢の中で子供を追いかけ、抵抗した子供に腕を傷つけられたマイクが目を覚ますと、現実でも腕を怪我していた。マイクは、見回りでレストランを訪れた婦警ヴァネッサの手当を受ける。フレディ・ファズベアーズ・ピザをよく知るヴァネッサは、かつてここで、5人の子供が行方不明になったと話す。

翌日の昼、フレディ・ファズベアーズ・ピザを、3人の男とアビーのベビーシッターが訪れる。

彼らは、補助金目当てにマイクからアビーの親権を奪おうと目論む、マイクの叔母に雇われた者たちだった。

マイクの警備員としての信用を落とし、クビにさせるために、男たちは店内に侵入、あちこちを荒らして回る。

ところが、機械仕掛けのマスコットキャラクター4体が動き出し、4人は次々と殺されてしまう。

勤務3日目、ベビーシッターと連絡が取れなくなったマイクは、やむなくアビーを職場に連れていく。警備員室で眠りにつく2人。マイクが目を覚ますと、アビーは機械仕掛けのマスコットたちと遊んでいた。動くはずがないマスコットたちを不気味に思いながら、マイクはアビーを家に連れ帰る。

家でアビーが描いた絵に目を止めたマイクは、絵の中に夢で会った子供たちが描かれていること、そして子どもたちとマスコットキャラクターの特徴が一致することに気がつく。さらに弟が誘拐される瞬間を描いた絵を見つけたマイクは、翌朝アビーに何を知っているのか尋ねるも、アビーは「友達に聞いた」と言う。

勤務4日目、アビーを連れて職場に向かったマイクを待っていたのは、ヴァネッサだった。自由に動くマスコット達を、驚いた様子もなく眺めるヴァネッサ。彼女は、行方不明になった子供たちの霊が、マスコットキャラクターを動かしていることを知っていた。

自分の弟の誘拐犯は誰なのか、何か知っていることがないのか、ヴァネッサを問い詰めるマイク。そんななか、マスコットキャラクターの配線に触れたアビーが電流を受け気絶してしまう。アビーを家に連れ帰るマイクに対し、ヴァネッサは「次にアビーを連れてきたら撃つ」と言い捨てる。

勤務5日目、マイクは過去を知るため、1人フレディ・ファズベアーズ・ピザに向かう。

 

 

 

〜感想〜

 


次回に続きそうな終わり方でした。

5人の子供と4体のマスコットキャラクター。1人余りますね。

元のゲームを知っている方なら、あいつがまだ出てないぞ、となると思います。存在自体はかなり匂わせられていますが。

 


元となったゲームは実況動画を見たことがあるくらいですが、シリーズ1だけでなく、4の家だったり、9のプレイランドでのステルスミッションを彷彿とさせるシーンがあり、観ていて楽しかったです。

1のカメラを見てドアを閉めて、という感じは薄めです。

 


また、キャラクターたちは結構表情豊かです。ターゲットをロックオンしたら目を細めたり、警戒モードになったら目が赤くなったり。表情が読めなくて怖いって感じではないかも。

 


直接的なグロ表現はないですが、外骨格を被せられるシーンだったり、マスコットに追い詰めれるシーンだったり、ぼかして痛い描写はあります。

Thanks giving(サンクスギビング) 感想

2023年12月29日、一番乗りで観てきました。

 


〜簡単なあらすじ〜


主人公は街一番のスーパーマーケット「ライトマート」の経営者の娘ジェシカ。

謝肉祭の日、ライトマートは大セールを開催する。ライトマートの前には、我先にと押しかけた興奮状態の群衆が、開店前から長蛇の列をなしている。

そんななか、ジェシカは高校の一軍仲間と開店前のライトマートに入り込み、買い物をする。

その姿を見た群衆の不満が起爆剤となり、遂には暴動が発生。巻き込まれた警備員や店員の家族が死亡してしまう。

 


悲劇の謝肉祭の一年後。謝肉祭に向けてはなやぐ街で、一年前の暴動に関与していたダイナーのオーナーが惨殺される。

この事件を皮切りに、暴動の関係者が次々と惨殺されていくなか、ついにはジェシカと仲間たちにも魔の手が及ぶ。

 

 

 

〜ネタバレありの感想〜

 


R18のスプラッタ映画ですが、人体の強度が豆腐並みで、“画面の向こうのもの”という安心感があり、強い不快感なく観れました。感覚器官の欠損など痛い描写もありますが、ねちっこくはないのでそこまでしんどくないと思います。

また、謝肉祭の料理に準えた殺人ではありますが、ハンニバルのようなグルメキラーやカニバリズムものではなく、実際に調理されたのは1人、ワインにされたのが1人、他は食卓にご案内されたか、食卓にも呼ばれず殺し捨てられたか、といった感じです。

 


ストーリーとしては、お面を被ったキラーによる復讐物で、怪しい人がたくさん出てくるので、最後まで犯人を考えながら観れる楽しさがあると思います。

具体的に怪しい人としては、謝肉祭の悲劇で怪我をし野球選手生命を絶たれてから音信不通になっていたジェシカの彼氏、ジェシカに恋心を寄せる優等生ライアン、やたらとジェシカと仲間に絡む銃火器の売人、事件の一年後に新しく配属された保安官代理、一軍仲間の一人にパシられる同級生…

全体として登場人物が多く、それぞれが個性的なので、(自分が日本人なせいかも知れませんが)人の区別をつけるのが難しいシーンもありました。

ラストは、みんな大好き「…オチなんてサイテー!」なオチ。ちゃんと解決はしますが、次回作を作れそうな雰囲気でもありますね。

 

主人公のメンタルやフィジカルに安定感があるので、最後まで安心して観れました。特に、スマホの画面の反射で、背後にキラーがいることに気が付いた時の反射神経の良さに、「あ、これ大丈夫なやつだ」と思ってしまった…

 


冒頭で、謝肉祭を祝うジェシカの家族と、ライトマートの店員の家族の様子が描かれます。どちらも幸せそうな団欒の一幕ですが、社会階層の差が描かれているように思いました。

また、ジェシカと仲間たちはいわゆる”一軍“であり、スクールカーストの描写もあります。

スプラッタは“いけすかない一軍”や“無礼な若者”が酷い目に遭わせることで、溜飲を下げる、キラー側の心持ちで楽しむ作品が多そうなイメージをもっていました。が、今作は、主人公陣営が人間的にそこまで酷く描かれているわけではないので(例えばスクールカーストも支配しっぱなしというわけではなく、逆にやり込められるシーンがあったり)、主人公陣営の心持ちで観ることができると思いました。

キラーも徹底して人間離れしているわけではないというか、主人公陣営が上手く立ち回るシーンも度々あるので(結果として必ずしも生き残るわけではないですが)、追われる恐怖はあれど、中盤以降は”圧倒的な理不尽さ“みたいなものはないです。

 


個人的には、「これから感覚器官を攻撃します」という匂わせ描写がツボでした。

また、モブキャラやエキストラが結構キャラ立ちしていて、色んな方向に視点がいってしまうので、混乱はしたものの、ある意味リアルというか、皆魅力があって良いなと思いました。特に、高校の授業後に教室から出るシーンで、背後を歩いている高身長のオシャレなエキストラがイチオシです。

Talk to me(トークトゥミー)感想

2023年12月28日、仕事納め帰りに観てきました。


〜簡単なあらすじ〜

主人公ミアは、母親を亡くして以降父親とは気まずい関係で、友人ジェシカの家に入り浸る日々。

ある日、気晴らしに、学校で流行っている降霊会に参加する。


降霊術では、左手のオブジェと手を繋ぎ、「talk to me」と語ると霊が目の前に現れる。続いて「let you in」と語りかけると、霊に身体を乗っ取られる。

降霊の時間制限は90秒。時間を超えて降霊を続けると、身体も魂も返して貰えなくなってしまう。


90秒のスリルにのめり込む面々。

そんななか、ジェシカの弟ライリーが降霊術を行うと、ミアの母親の霊が憑依した。ミアは母親を引き止めてしまい、降霊の時間制限を超えてしまう。

するとライリーの様子が豹変、テーブルに割れるほどに頭を叩きつけ始め、自分の目を抉ろうとする。

ジェシカが止めに入り、かろうじて一命を取り留めたライリー。

その日から、ミアは周囲に霊の存在を感じるようになる。

 


〜ネタバレありの感想〜

結構肉体的に痛々しい描写があります。


冒頭はミアが着ている黄色のパーカーがとても印象的に映ります。ミアを主人公として強く印象付けるほか、明るいようでいて周囲から浮き、不安定なミアをよく表しているように思いました。

ミアは感情移入や応援してしまう主人公というよりは、不信感を持って見てしまうタイプの主人公だなと思いました。

例えば、携帯をいじるジェシカへ絡む姿や、ジェシカの彼氏を自分の元カレと呼んで絡む姿。一方で同世代の集まりでは周囲に馴染めない姿。

降霊会の主催が「(ミアは)ベタベタしてくるから嫌い」と言ったところに表されていますが、他人との境界があやふやで、強い意志や思考がなく、漠然とした寂しさを抱えたキャラクターに描かれているように感じました。


霊は、死体のような“気持ち悪い“描かれ方をされていて、(途中に霊×性的な描写があるからかもしれないですが、)「it follows」を思い出しました。


ジェシカの彼氏(ミア曰く、ミアの元カレ)が、2回くらい霊のセクハラを受けているのも、印象的でした。かといって、作中で、ジェシカの彼氏がミアの性的好意の対象として描かれているかというと、ミアがそこまで強い関心を寄せているようにもみえなかった。


また、ミアの実家が暗いこと暗いこと。ミアの父も、途中までほとんど顔が映らない撮り方で、ミアが父を意識の外に置いていることが伝わってきます。


それから今回の最大の被害者ライリー。いたいけな少年少女が悪魔に憑かれたことで、痛々しく悍ましい相貌に変わっていくのはエクソシストものの定番ですが、ライリーは最初からどこか怖さを感じる顔立ち。案の定壮絶な変貌を遂げる。


クライマックスは、冒頭のシーンをなぞるようにして終わります。瀕死の鹿を殺せなかったミアは、最後も殺せなかったのか、あるいは殺さなかったのか。ここは明確に描かれているわけではないので、解釈の余地があるのかな、と勝手に思っています。

個人的には、自我をもって意思決定したというよりは、決めきれない躊躇に、ジェシカの行動力が勝ったのではないか、と考えました。


積み上げられたミアのキャラクターから、最後の最後、暗闇の寂しさに耐えかねて、人の手を握る描写が、「そうなるよね」と思わされる納得感がありました。

「死者は自分を認識したり同情した人間に執着する」というホラーものがありますが、それを最初から最後まで死者目線で観たような話でした。