Five Nights at Freddy's (ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ)感想


2024年2月10日、観てきました。

 


〜ちょっと長いあらすじ〜

 


主人公マイクは、弟を目の前で誘拐された過去に囚われ、定職にも就かずに日々を過ごしていた。

ある日、職業斡旋所で、閉店したピザレストラン「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」で夜勤警備員の仕事を紹介される。

他界した両親の代わりに幼い妹アビーを養うため、警備員として働き始めたマイク。

 


フレディ・ファズベアーズ・ピザは、ゲームアーケードや機械仕掛けのマスコットキャラクターのショーで、一時は賑わいを見せたアミューズメントレストランだったが、今は廃墟と化している。

勤務初日、警備室で眠ったマイクは、弟が誘拐される瞬間の夢を見る。繰り返し何度も見てきた夢だが、その日の夢には、見知らぬ5人の子供たちが登場した。

勤務2日目、夢の中で子供を追いかけ、抵抗した子供に腕を傷つけられたマイクが目を覚ますと、現実でも腕を怪我していた。マイクは、見回りでレストランを訪れた婦警ヴァネッサの手当を受ける。フレディ・ファズベアーズ・ピザをよく知るヴァネッサは、かつてここで、5人の子供が行方不明になったと話す。

翌日の昼、フレディ・ファズベアーズ・ピザを、3人の男とアビーのベビーシッターが訪れる。

彼らは、補助金目当てにマイクからアビーの親権を奪おうと目論む、マイクの叔母に雇われた者たちだった。

マイクの警備員としての信用を落とし、クビにさせるために、男たちは店内に侵入、あちこちを荒らして回る。

ところが、機械仕掛けのマスコットキャラクター4体が動き出し、4人は次々と殺されてしまう。

勤務3日目、ベビーシッターと連絡が取れなくなったマイクは、やむなくアビーを職場に連れていく。警備員室で眠りにつく2人。マイクが目を覚ますと、アビーは機械仕掛けのマスコットたちと遊んでいた。動くはずがないマスコットたちを不気味に思いながら、マイクはアビーを家に連れ帰る。

家でアビーが描いた絵に目を止めたマイクは、絵の中に夢で会った子供たちが描かれていること、そして子どもたちとマスコットキャラクターの特徴が一致することに気がつく。さらに弟が誘拐される瞬間を描いた絵を見つけたマイクは、翌朝アビーに何を知っているのか尋ねるも、アビーは「友達に聞いた」と言う。

勤務4日目、アビーを連れて職場に向かったマイクを待っていたのは、ヴァネッサだった。自由に動くマスコット達を、驚いた様子もなく眺めるヴァネッサ。彼女は、行方不明になった子供たちの霊が、マスコットキャラクターを動かしていることを知っていた。

自分の弟の誘拐犯は誰なのか、何か知っていることがないのか、ヴァネッサを問い詰めるマイク。そんななか、マスコットキャラクターの配線に触れたアビーが電流を受け気絶してしまう。アビーを家に連れ帰るマイクに対し、ヴァネッサは「次にアビーを連れてきたら撃つ」と言い捨てる。

勤務5日目、マイクは過去を知るため、1人フレディ・ファズベアーズ・ピザに向かう。

 

 

 

〜感想〜

 


次回に続きそうな終わり方でした。

5人の子供と4体のマスコットキャラクター。1人余りますね。

元のゲームを知っている方なら、あいつがまだ出てないぞ、となると思います。存在自体はかなり匂わせられていますが。

 


元となったゲームは実況動画を見たことがあるくらいですが、シリーズ1だけでなく、4の家だったり、9のプレイランドでのステルスミッションを彷彿とさせるシーンがあり、観ていて楽しかったです。

1のカメラを見てドアを閉めて、という感じは薄めです。

 


また、キャラクターたちは結構表情豊かです。ターゲットをロックオンしたら目を細めたり、警戒モードになったら目が赤くなったり。表情が読めなくて怖いって感じではないかも。

 


直接的なグロ表現はないですが、外骨格を被せられるシーンだったり、マスコットに追い詰めれるシーンだったり、ぼかして痛い描写はあります。

Thanks giving(サンクスギビング) 感想

2023年12月29日、一番乗りで観てきました。

 


〜簡単なあらすじ〜


主人公は街一番のスーパーマーケット「ライトマート」の経営者の娘ジェシカ。

謝肉祭の日、ライトマートは大セールを開催する。ライトマートの前には、我先にと押しかけた興奮状態の群衆が、開店前から長蛇の列をなしている。

そんななか、ジェシカは高校の一軍仲間と開店前のライトマートに入り込み、買い物をする。

その姿を見た群衆の不満が起爆剤となり、遂には暴動が発生。巻き込まれた警備員や店員の家族が死亡してしまう。

 


悲劇の謝肉祭の一年後。謝肉祭に向けてはなやぐ街で、一年前の暴動に関与していたダイナーのオーナーが惨殺される。

この事件を皮切りに、暴動の関係者が次々と惨殺されていくなか、ついにはジェシカと仲間たちにも魔の手が及ぶ。

 

 

 

〜ネタバレありの感想〜

 


R18のスプラッタ映画ですが、人体の強度が豆腐並みで、“画面の向こうのもの”という安心感があり、強い不快感なく観れました。感覚器官の欠損など痛い描写もありますが、ねちっこくはないのでそこまでしんどくないと思います。

また、謝肉祭の料理に準えた殺人ではありますが、ハンニバルのようなグルメキラーやカニバリズムものではなく、実際に調理されたのは1人、ワインにされたのが1人、他は食卓にご案内されたか、食卓にも呼ばれず殺し捨てられたか、といった感じです。

 


ストーリーとしては、お面を被ったキラーによる復讐物で、怪しい人がたくさん出てくるので、最後まで犯人を考えながら観れる楽しさがあると思います。

具体的に怪しい人としては、謝肉祭の悲劇で怪我をし野球選手生命を絶たれてから音信不通になっていたジェシカの彼氏、ジェシカに恋心を寄せる優等生ライアン、やたらとジェシカと仲間に絡む銃火器の売人、事件の一年後に新しく配属された保安官代理、一軍仲間の一人にパシられる同級生…

全体として登場人物が多く、それぞれが個性的なので、(自分が日本人なせいかも知れませんが)人の区別をつけるのが難しいシーンもありました。

ラストは、みんな大好き「…オチなんてサイテー!」なオチ。ちゃんと解決はしますが、次回作を作れそうな雰囲気でもありますね。

 

主人公のメンタルやフィジカルに安定感があるので、最後まで安心して観れました。特に、スマホの画面の反射で、背後にキラーがいることに気が付いた時の反射神経の良さに、「あ、これ大丈夫なやつだ」と思ってしまった…

 


冒頭で、謝肉祭を祝うジェシカの家族と、ライトマートの店員の家族の様子が描かれます。どちらも幸せそうな団欒の一幕ですが、社会階層の差が描かれているように思いました。

また、ジェシカと仲間たちはいわゆる”一軍“であり、スクールカーストの描写もあります。

スプラッタは“いけすかない一軍”や“無礼な若者”が酷い目に遭わせることで、溜飲を下げる、キラー側の心持ちで楽しむ作品が多そうなイメージをもっていました。が、今作は、主人公陣営が人間的にそこまで酷く描かれているわけではないので(例えばスクールカーストも支配しっぱなしというわけではなく、逆にやり込められるシーンがあったり)、主人公陣営の心持ちで観ることができると思いました。

キラーも徹底して人間離れしているわけではないというか、主人公陣営が上手く立ち回るシーンも度々あるので(結果として必ずしも生き残るわけではないですが)、追われる恐怖はあれど、中盤以降は”圧倒的な理不尽さ“みたいなものはないです。

 


個人的には、「これから感覚器官を攻撃します」という匂わせ描写がツボでした。

また、モブキャラやエキストラが結構キャラ立ちしていて、色んな方向に視点がいってしまうので、混乱はしたものの、ある意味リアルというか、皆魅力があって良いなと思いました。特に、高校の授業後に教室から出るシーンで、背後を歩いている高身長のオシャレなエキストラがイチオシです。

Talk to me(トークトゥミー)感想

2023年12月28日、仕事納め帰りに観てきました。


〜簡単なあらすじ〜

主人公ミアは、母親を亡くして以降父親とは気まずい関係で、友人ジェシカの家に入り浸る日々。

ある日、気晴らしに、学校で流行っている降霊会に参加する。


降霊術では、左手のオブジェと手を繋ぎ、「talk to me」と語ると霊が目の前に現れる。続いて「let you in」と語りかけると、霊に身体を乗っ取られる。

降霊の時間制限は90秒。時間を超えて降霊を続けると、身体も魂も返して貰えなくなってしまう。


90秒のスリルにのめり込む面々。

そんななか、ジェシカの弟ライリーが降霊術を行うと、ミアの母親の霊が憑依した。ミアは母親を引き止めてしまい、降霊の時間制限を超えてしまう。

するとライリーの様子が豹変、テーブルに割れるほどに頭を叩きつけ始め、自分の目を抉ろうとする。

ジェシカが止めに入り、かろうじて一命を取り留めたライリー。

その日から、ミアは周囲に霊の存在を感じるようになる。

 


〜ネタバレありの感想〜

結構肉体的に痛々しい描写があります。


冒頭はミアが着ている黄色のパーカーがとても印象的に映ります。ミアを主人公として強く印象付けるほか、明るいようでいて周囲から浮き、不安定なミアをよく表しているように思いました。

ミアは感情移入や応援してしまう主人公というよりは、不信感を持って見てしまうタイプの主人公だなと思いました。

例えば、携帯をいじるジェシカへ絡む姿や、ジェシカの彼氏を自分の元カレと呼んで絡む姿。一方で同世代の集まりでは周囲に馴染めない姿。

降霊会の主催が「(ミアは)ベタベタしてくるから嫌い」と言ったところに表されていますが、他人との境界があやふやで、強い意志や思考がなく、漠然とした寂しさを抱えたキャラクターに描かれているように感じました。


霊は、死体のような“気持ち悪い“描かれ方をされていて、(途中に霊×性的な描写があるからかもしれないですが、)「it follows」を思い出しました。


ジェシカの彼氏(ミア曰く、ミアの元カレ)が、2回くらい霊のセクハラを受けているのも、印象的でした。かといって、作中で、ジェシカの彼氏がミアの性的好意の対象として描かれているかというと、ミアがそこまで強い関心を寄せているようにもみえなかった。


また、ミアの実家が暗いこと暗いこと。ミアの父も、途中までほとんど顔が映らない撮り方で、ミアが父を意識の外に置いていることが伝わってきます。


それから今回の最大の被害者ライリー。いたいけな少年少女が悪魔に憑かれたことで、痛々しく悍ましい相貌に変わっていくのはエクソシストものの定番ですが、ライリーは最初からどこか怖さを感じる顔立ち。案の定壮絶な変貌を遂げる。


クライマックスは、冒頭のシーンをなぞるようにして終わります。瀕死の鹿を殺せなかったミアは、最後も殺せなかったのか、あるいは殺さなかったのか。ここは明確に描かれているわけではないので、解釈の余地があるのかな、と勝手に思っています。

個人的には、自我をもって意思決定したというよりは、決めきれない躊躇に、ジェシカの行動力が勝ったのではないか、と考えました。


積み上げられたミアのキャラクターから、最後の最後、暗闇の寂しさに耐えかねて、人の手を握る描写が、「そうなるよね」と思わされる納得感がありました。

「死者は自分を認識したり同情した人間に執着する」というホラーものがありますが、それを最初から最後まで死者目線で観たような話でした。